人材コンサルタントとして、毎日多くの候補者様とお会いする中で、
スムーズに且つ安定的な転職活動を成功させている方々に見受けられる傾向が、
転職を現実的に考えている
という事。
夢や理想は日々の安定成長のフィールド(現職)で考え、行動するとして、
こと転職という節目においては徹底した現実的視点に立ち戻らなければ、危うい道を選択してしまう可能性が高い。
人それぞれ、得意分野や好き嫌いがあるとして、いくら頑張ったとしても役職や年収などの上限があることも事実。現実的に考えて今の延長線上で頑張って、どうなるのか?
そして自身の所属する業界の将来の図式や自社のポジションを徹底的に想像してみる。
冷静に考えてみると、転職そのものでキャリアアップという機会は非常に稀。実際は「キャリアアップの可能性がある企業」に移るというもの。あくまでキャリアアップや年収アップ、役職アップは在職時に活躍に応じて上げていかなければならない。
ビジネスの世界は夢や希望を大きく持って、具体的な目標を掲げ、毎日イメージして、努力し続ければ必ず夢は叶う!といった事は残念ながらあり得ない世界です。
どうしてもその業界にいる限り・・・、その会社にいる限り・・・叶わないものがあり、限界があるのです。
年収でいえば、自社の経営者の年収はいくらでしょうか?
それ以上の年収、自由度を望むのであれば今のままで叶いますか?という事になります。
現実的に考えるという事は、感情的に考えない事でもあります。
しっかりと自社の売上・経常利益・社員数を把握した上で、現状分析を行い、その中で自身の幸せなライフプランが実現するのであれば、無理な転職を考える必要はないと思います。
但し、ほとんどの転職希望者が感情面を機転とした転職活動を行っているため、一度冷静に立ち止まって考えてみる必要があります。
世の中に求人を出している企業(特に大量採用を常に行っている企業・・・)。
それは自分にとっていい企業なのか?
平均勤続年数の極端に低い企業ではないのか?
その企業は「働くものにとって」良い企業か?「株主の投資先の器として」良い企業か?
一時的な反動を伴う感情面を機転とした転職によって、そういった求人に手を伸ばしていないだろうか?
大量採用の罠に引っかからないためには、現職で全力で努力している今だからこそ5年先の自社の姿や産業動向、ライフプランを考え、満を持して転職に望むことが必要です。
そんな方であれば、転職市場の定点観測を行う余裕もあり、ブラック企業を見抜く目利き力も有することができると思われます。
良い転職を実現すための大切な要素。
現実的に考える事。