人件費はある日突然暴騰する【人材採用で失敗するベンチャー企業の突然死】

日々、ベンチャー企業の成長ステージにおける採用支援を行なっています。

ベンチャー企業の成長ステージにおいて、人材面で見られる顕著な失敗例。

それが、

人件費の圧迫による成長機会損失です。

ある日突然、収支計画書に青ざめる、、、忘れたころにやってくるコストの重さを痛感するケースが散見されます。

ベンチャー企業は、事業収益(限界利益)の成長曲線と先行投資の兼ね合いで、どうしても一時的に収益性が落ちる時期があります。
外部資金調達が上手くいく企業も、そうでない企業も同一のルールで市場で戦うことになります。
飛び道具である販促費用を投じて、収益を得るという資金の高速回転が求められます。
先行投資の時期でもあり、事業を拡大させるために非常に大切な時期でもあります。

多くのベンチャー起業家の意識が事業収益やサービスの拡大に向いている時期でもあり、固定費の怖さが薄れていく時期でもあります。

固定費の怖さは、以下にあります。

①売上に関係なくコントロールが効かない絶対額
②人件費に関しては、削減に時間がかかり、人材市場に与える影響も大きい(風説流布)
③収益向上期では投資、収益低下期では急激に重いコストに変化する

常に右肩上がりである場合は、人材採用は先行投資として非常によいものとなりますが、売上や利益が落ちた瞬間にコストに変化します。

ベンチャー企業経営を第三者の立場で見ていると、成長フェーズでは多忙なこともあり、収益低下の場合のシュミレーションがおざなりになっているケースが多々あります。

また、採用基準のバーが緩む時期でもあり、組織の急激な拡大による機能低下も同時に起こる時期でもあります。
採用のミスマッチも多発し、多く採用しているが離職率も高まる時期です。

実際に、この時期に消滅するベンチャー企業を多く見ています。

ベンチャー企業のデス・バレー(死の谷)とも呼ばれていて、このトンネルをどう潜り抜けるかで、その後の成長曲線が変わってきます。
また、その後の成長を方向付ける企業文化が醸成されていく時期でもあります。

多忙な時期なために経験の薄い採用担当者が着任するケースも多々あり、採用効率(投資とリターン)が劇的に落ちることも散見されます。

ベンチャーステージの経営者は採用しようとする人材価値と投資額をシビアな目で客観視することが求められます。

そうは言っても、死ぬ程忙しい、、、
採用業務をオペレーション化して効率化したい、、、
採用専任者に全て任せたい、、、
今まで必ず一次面接で社長自身が出ていたけれど、他のマネージャーに任せたい、、、
そんな時期にどんな方針を決めるかで、今後の組織力が決定付けられます。

ベンチャー企業経営者は、成長フェーズにおける組織体制構築の重要性を認識し、外部のプロフェッショナルと協力し、慎重に一手を打っていかなければなりません。

「うちの会社は将来、こんなエリートが集う優良企業にしたい」
「貢献意欲の高い会社にしたい」
「プロ意識の強い会社にしたい」
「高級感のある会社にしたい」
「スピードと成長意欲の高い会社にしたい」
企業経営者は100%機能的な組織を考えている訳ではなく、やはり自社の企業風土に対するビジョンも強く持たれています。

但し、広告プロモーションと同様に人材採用(投資)を考えてはいけません。
人材投資は費用対効果に非常に長い時間のズレがある投資(投資回収2-3年程度)です。

変化し続ける事業経営で、経営資源配分の何を優先し、何を捨てるべきか。

「一気に人を増やして勝負したい!」

そんな時期だからこそ、今後起こる可能性の高い減収に備えた柔軟な計画に着手しておくべきです。

ベンチャー企業にとって、コスト削減に業務時間や経営の意思決定が奪われることは致命的な成長阻害要因となります。

採用に関するコスト意識を強くもって、魅力的な企業を丹念に作っていく意識が求められます。

日々、精進です。

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