【決算書から働きやすい会社は判断できるのか?】
転職とは難しい決断です。
それは、転職先の内情が分からないから。
世の中は理不尽ですね。
では、上場企業や決算書などの開示情報はどれだけ転職先の判断材料になるのでしょうか?
結論としては、残念ながら決算書が良いからといって転職先として良いとは限りません。
なぜでしょうか?
決算書の本質を考えてみると理解できます。
誰に向けて発信している情報なのか、ということです。
やはり、企業へ投資する方々(機関投資家、個人投資家)、融資元、取引先など「ステークホルダー」と呼ばれる方々のための開示情報だからです。
労働者向けのメリット・デメリットが開示されているわけではない、ということです。
投資家やステークホルダーにとっては、業績結果や進捗状況という企業の健康状態や年間の診断結果を知るための指標であるからです。
しかしながら、多少のヒントはあります。
①ビジネスモデルの特徴
どういった収益モデルでビジネスが成り立っているのか?ここをしっかりチェックしておくことで、「ワークスタイル」がイメージできます。
残業の多さや活躍できる方の特徴も全て、このビジネスモデルが生み出す仕組みによるものだからです。
優秀な人材だからどこでも活躍できるのではなく、優秀な人材になれる自分に相応しい職場を見つけることの方が重要です。
ビジネスモデルとワークスタイルは相関関係が強い、ということです。
②平均給与・労働分配率
実は給与というものは、日本国内のマクロ指標(平均賃金や平均所得)はあてになりません。
業界によって平均給与がバラバラであるためです。30代で平均年収1000万円を超える業界もあれば、役員でも役員報酬800万円に満たない業界もあるため、全産業の平均や労働生産人口の平均を基準に考えていると見誤ります。
では、自分にとって相応しい職場や仕事と出会うためにはどうすれば良いのか?
以下は決して万能ではございませんが、転職活動時には必須の行動です。
それは、「まずは自分自身を良く知る」ということです。
「私は仕事で何を目指しているのか?」(お金以外の価値観の優先順位は何なのか?)
「好きなワークスタイルは?嫌いなワークスタイルは?」
「自分の実力はどれほどなのか(どれほどだと思っているのか)?」
「転職で実現したいテーマ、改善したいテーマは何か?」
「絶対に許せない環境は何か?」(もし、転職先でこういう事があったら、心が折れてしまうと思われることは?)
己を知ることからということです。
それぞれの転職先の内情を知るためには、やはり経験豊富で業界に精通している人材紹介会社のコンサルタントに率直にお聞きされるのが最も効率が良いかと思われます。
(我々は、「企業の内情」を中心とした分析指標や情報を蓄積しているため)
「この会社はどんな人が合うんですか?」といった質問で、お気軽にご相談いただければ幸いです。
日々精進