【安定と挑戦のバランスを有する人】
「キャリアアップ」という概念に囚われ過ぎて、目の前の仕事に注力できず、経歴を雑にしてしまわれるビジネスパーソンがいらっしゃいます。
私たちは欲望を持つ人間であるため、致し方ない面もございます。
しかしながら、キャリアアップと謳っている心の奥底は、「現状からの回避」であることが多いものです。
足元が不安定な中での挑戦は、無計画な行動とも重なります。
実は採用企業側にとって、こういった方のキャリアは職務経歴書や転職理由から容易に判断できるものです。
転職市場で評価されるのは、「現職企業でしっかりと実績を出されている方」です。
その前提として、実績を出せる土壌をしっかりと構築されたかどうかを見られます。
人間関係やコンプライアンス上のトラブル、経営層によるパワハラなどにより退職される方に多いのが、この「土壌をしっかりと構築する力」です。
もちろん、組織側に問題の種があることも多いのですが、慎重に強かに社内を観察しキードバイバーを見抜く目利き力を持つエグゼクティブであれば上手く立ち回れる方もいらっしゃいます。
役割が大きくなれば、相応に問題の質も高度になりますが、それらの問題から逃げずに戦い抜いてきた方が求められます(もちろん撤退判断を下すことも戦い抜いた実績の一つです)。
上級管理職では、組織の問題や人間関係、権力闘争など、清濁併せ呑む胆力が求められます。
足元をしっかりと固めながら、積極的な挑戦ができる人。
組織内の立ち回り方を早期に察し、致命的なポジショニングを回避できる人。
挑戦や改革を手掛ける前に、土壌をしっかりと作れる人。
安定と挑戦。
このバランスを有する人材が組織のリーダーとして求められています。
日々精進