労働市場におけるブランディングとは

労働市場において、必要とされる能力の細分化、高度専門化は益々進行しています。

また、新しい職種の出現、求人ニーズの多様化など、ビジネスパーソンは「時代への最適化」スキルが益々重要になっています。

 

一方の採用側においては、採用担当者の業務の多忙化(採用手法の並行によるオペレーション疲弊)が進行、労働集約型の採用オペレーションの限界に直面しています。

従来、自社に存在しなかった職種採用などで理解度が追いつかず、ミスマッチが増加している企業も見受けられます。

 

こういった企業側の状況で候補者がスピーディーに評価されやすい要素が「ブランド」です。

具体的には「所属企業名(現職や過去)」ということです。

 

どんな企業で、どんな役職で、どのくらい働いていたのか。

 

「企業名」を聞くだけで、そのビジネスパーソンのレベル感が伝わるようなもの。

 

採用側も「この職種であれば、この会社にいる人なんかベストですね!」というイメージを彷彿させる企業名。

 

それが採用現場で結果を左右するブランドの力といえます。

 

もちろん、候補者様側からすれば、自身のスキルや姿勢など、しっかりと選考評価いただきたい気持ちは分かります。

但し、採用側としてはレジュメをもとに数分で合否判断を行ない、結果を組織内に伝達するコミュニケーションコスト(説明にかかる労力や時間等)を勘案すると、候補者のレジュメから読み解ける「ブランド」は非常に助かります。

 

採用現場では、候補者レジュメのなんとなくの「レベル感」で書類選考が行われているのが実情です。

 

この背景にはデジタル社会における、情報の透明化、比較効率化が要因と言えます。

経験や強みを細かく読み解くよりも、デジタル社会で通用するリファレンスでスピーディーに判断していく。AI化が進むと思われる書類選考ステップでは、この流れは益々加速していくと思われます。

候補者様の魅力や能力の深みを理解する前に、レジュメ内の「テキストデータ」が重要性を増していくということです。

転職サイトや人材紹介会社内のマッチングシステム、採用企業の採用システムにおいても、テキストデータによる自動マッチングやスクリーニング機能は益々加速しています。

 

よって、ビジネスパーソンとしては、デジタル社会で評価されるに値する「タグ」や「スコア」を意識して作っていくことが求められるのではないでしょうか。

 

この「所属企業名」は、年収レンジが高くなるほど重要視されていきます。

リファレンス・チェックや採用責任者のリスクヘッジ(ミスマッチの際の言い訳)としても有用なためです。


エグゼクティブ層での活躍を目指すのであれば、この「所属企業」が将来どう評価されるかを逆算し、ゴールベースアプローチからの転職戦略を実行していくことが重要になります。

この活動自体が労働市場における「ブランディング」です。

資格や勉強に逃げる前に、所属企業の市場価値を客観視してみてはいかがでしょうか。


自分のプロフィールのキモとなる(したい)部分を何にするか?

それが伝わりやすいのはどんな企業名か?

自分のやりたい仕事を実現しつつ、労働市場でのブランドも落とさないようにするにはどうしたらいいのか?


 

候補者レジュメの中で、最低限の能力評価の担保となる「企業名」「学歴」などのシグナルを持ち、それから差別化となるニッチな専門性(個人の強み)を磨いていく。

既にシグナルを有している場合とそれがない場合とで、取れる選択肢は異なります。

 

非効率な採用市場(労力投資とリターン・精度)の中で継続的に評価を得ていくためには、評価者側の選考スキルの現実(限界)を直視し、分かり易く効果的な「シグナル」を確実にひとつ作っておくことも必要ではないでしょうか。

 

残念ながら、労働市場内のエグゼクティブ層で、「計画された偶発性理論」に基づき無計画なキャリアを歩んでこられた方にはお会いしたことがありません。

未来予測が不可能だからこそ、目標と計画を自分の頭で考え抜いてらっしゃる方々が殆どです。

理論的に浸透していることと、現実社会で生き抜く方法は別物のようです。


資本家サイドは、効率的・効果的な労働資本の確保のため、シグナルを有効活用した採用オペレーションや高値掴みを減らしていく仕組化に動きます。

 

労働者サイドはどうするべきか。

 

キャリアや人生に目的意識を持ち、デジタル社会化の外部環境を見据え、有利に行動するための戦略を立てる。

 

ゴミ情報からの時間浪費を避けるため、自分にとって「差別化となるシグナル」は何かを考え抜いておくことも重要ではないでしょうか。

日々精進

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