キャリアの勘違いとは何でしょうか?
キャリアとは目に見えないものですよね。
ある人にとっては、挑戦。
ある人にとっては、安定や安全。
ある人にとっては、名誉。
ある人にとっては、実績。
様々な要素がありますが、総括するとキャリアとはビジネス市場における価値(尺度)といえます。
では、キャリアの価値を構成する要素は何でしょうか。
他者からみて、何があなたのキャリアの価値を決めているのでしょうか。
要素がたくさんあり過ぎて分からない?
世間体や自分からみた価値は関係ありません。
あくまでも評価する側(企業)からみた価値です。
突き詰めるとたった2つに集約されます。
シグナル、そして実績です。
シグナルとは、学歴、在籍企業ブランド、年齢、資格、などその人材にとっての評価指標となる要素です。
学歴や資格、在籍企業等は分かりやすいのですが、そのポジションをとった(合格された)というある一定の表面上の評価となります。
(表面上というのは、実際の仕事の成果とは別の優秀さやポテンシャル指標ということです)
えっ、でも今は学歴不問の世の中ではないのか?!
残念ながら評価する側が相当なプロフェッショナルでない限りは、シグナル上の学歴評価はまだまだ顕在です。
履歴書には学歴、年齢、など必ず書かなければならないポイントがあります。
評価側が必要としない記載は、そもそも履歴書必須記載項目にはならないはずです。
一方の実績とは、言葉通りのビジネス経験上の成果実績です。
「何を成し遂げたのか?」「そのためにどんな工夫をされたのか?」「その成果実績に再現性はあるのか?」
キャリア市場では、ある一定の年齢や社会人経験を経た段階で、評価軸の中心が「成果実績」となります。
ところが、その変化に気付かずに30代以降になっても「シグナル」をアピールされているビジネスパーソンが多く見受けられます。
では、転職により市場価値を上げるにはどうすれば良いのか?
自分自身に最低限のシグナルが不足しているのであれば、それを得られる環境変化を起こす必要があります。
有名な大手企業へ転職したり、資格取得、大学院で学ぶなど。
職務経歴書に記載されるだけで、一定の評価が得られる企業群がありますので、そういった企業への転職機会を模索するのも一つの手です。
一方、ある一定のシグナルを持たれていて、そろそろ市場評価の高い成果実績を積みたい場合。
まずは、現在の所属企業において何らかのプロジェクトを立ち上げてみるなど、一つ上の立場からの視点で行動してみても良いかも知れません。
ただし、大手企業で成果実績を担う経験までに数年かかるのであれば、中小企業やベンチャー企業で裁量の幅の大きな経験を得ることをおすすめします。
特にベンチャー企業では、管理系部門においても制度やオペレーションが整っておらず、そういった環境で成果実績を積むチャンスが多分にあります。
既に素晴らしいシグナルを保有していながら、成果実績のないビジネスパーソンは、現時点がキャリア市場における最高値状態を懸念すべきかも知れません。
特に年収と経験が合わない、というフィードバックで選考不合格が続くようであれば、あなたの実力と給与条件が市場価値に見合わない可能性が高く、今後は最高値からのゆっくりとした暴落に対処していく必要があります。
(真っ当な市場価値と折り合いを付けて、給与条件を落としてでも成果実績を手に入れられる環境に飛び込む)
キャリア評価の軸は、あくまでも成果実績にあります。
いつまでもシグナルを追い求め、無駄な自己投資や資格取得、逃げの転職を繰り返すのをやめ、自分の状況を客観的に見つめ直してみることです。
ビジネス上の成果実績を出すために自分に必要なスキルは何なのか?
それを得るためには、どんな習慣を捨て、どんな習慣を取り入れるべきか。
無駄な人脈、付き合いやコミュニティからどうやって抜け出すべきか。
日々の仕事の実践に軸足をしっかりと置き、成果実績創出にフォーカスする習慣に注力すべきではないでしょうか。
ヘッドハンターが探しているのはキャリアアップを夢見る(シグナルを求める)ビジネスパーソンではありません。
より高い成果を渇望している人材、高い志や目標達成志向の強いアスリートのような人材。
そんな人材が次世代リーダーとして求められています。
シグナルではなく、成果実績。
日々、精進です。